2013年3月議会 一般質問

受益者負担の原則は市民活動、市民協働になじまないのでは

(公民館・地区センター・福祉会館の値上げと免除制度廃止問題)


3月議会は、「1、受益者負担の原則は市民活動、市民協働になじまないのでは」というテーマと、
「2、原子力空母から30キロ圏内の綾瀬市の放射能災害対策は」の2つのテーマで一般質問いたしました。

ここでは、「1」の部分を抜粋して掲載いたします。


この内容に関わる議案に対する反対討論は、
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◆15番(上田博之君) 日本共産党の上田博之です。
 通告に従いまして、1、受益者負担の原則は市民活動、市民協働になじまないのでは、2、原子力空母から30キロ圏内の綾瀬市の放射能災害対策は、の2つのテーマで質問をさせていただきます。
 それでは、まず最初に、受益者負担の考え方についてお伺いいたします。
 綾瀬市では、昨年10月に綾瀬市受益者負担適正化に関する指針を策定されました。その指針によりますと、施設利用等のサービス提供における利用者負担について、公平性の観点から行政サービスにおける受益と負担の適正化を図るため、サービスを応じた負担の導入を行うことを目的としたと述べられています。
 そして、その帰結として、市内の主な施設を市民が利用するときには、基本的に利用料を支払うこととなり、しかも最大200%にも値上げがされようとしています。
 私はこの問題意識の出発点から、地方自治体の果たすべき役割を綾瀬市は見失っているということを今回訴えたいと思っています。この受益者負担の考え方の最大の誤りは、市民を、住民を主権者、主人公としてではなく、施設を利用する顧客、お客さんととらえていることです。この発想は、効率主義を第一義とし、弱肉強食の資本の論理を前面に出している新自由主義という思想のあらわれです。
 今、政治の世界では、小泉改革以来、構造改革という名のもと、この弱肉強食の社会がつくられてきました。自民党も民主党もみんなの党も維新の会も、この新自由主義を推し進めています。
 こうした中で、こうした発想を当たり前だと思い込んでいる方も、残念なことですが、増えています。今回、このような受益者負担の指針をつくられた市の幹部の方も、これが当たり前だと思い込んでおられるのでしょう。しかし、これは地方自治体が進むべき道ではありません。
 公平性について考えてみたいと思います。施設を利用するのだから、利用料を払えという論理は、民間会社の中では自然なことです。しかし、地方自治体がこの利益を得たのだから負担をするべきだという応益負担の原則に立つと、おかしなことになってしまいます。
 それは、地方自治体は、地方自治体の役割として、憲法上で国民に保障された社会的基本権を自治体の責任で保障しなければならないからです。つまり、教育や労働、そして健康で文化的な生活を営む権利などを自治体は住民に保障し、提供しなければなりません。ですから、そこで公平性という概念を使うのであれば、それは応益負担ではなく、応能負担で考えるべきなのです。つまり、一定の利用料を徴収するにしても、それはごくごく最小限の定額に限定し、その際も支払い能力に応じて軽減措置を講ずることで公平性を実現するべきだと考えます。
 次に、市民の自主的な活動をどう考えているのかということです。綾瀬市はこの間、行政だけでは手が届かないところがたくさんあるので、市民の皆様と協働して、まちづくりを進めていきたいとして、市民協働という言葉を盛んに使っています。ところが、そうした市と協働している団体にまで受益者負担を押しつけ、施設の利用料を徴収するという方針を出されました。これは行政に対し、協力、協働されている団体の信頼を裏切ることになりませんでしょうか。細かいことは後ほど一問一答中で述べさせていただきますので、まずは綾瀬市が受益者負担についてどのように考えて、このような指針をつくられたのか、お聞きいたします。
 次に、原子力空母から30キロ圏内の綾瀬市の放射能災害対策はについてお伺いいたします。
 (中 略)
 以上、御答弁よろしくお願いいたします。

◎市長(笠間城治郎君) 上田議員の御質問にお答えをいたします。
 第1点目の受益者負担の原則は市民活動、市民協働になじまないのではとの御質問のうち、受益者負担適正化の導入経過についてでございますが、受益者負担の適正化に関しましては、平成18年に策定しました本市行政改革大綱のあやせ経営戦略プラン及びあやせ集中改革プランに位置づけ、取り組みを進めてきたものでございます。
 受益者負担の適正化に当たりましては、まず団体の代表者、公募市民及び大学教授で構成いたします綾瀬市補助金及び受益者負担等検討委員会を設置し、その中で十分御議論をいただき、その中で現在の受益者負担のあり方については、負担を求める根拠が不明確、平成10年度以降見直しが行われていない。減免規定の考え方が不統一であるといった課題があることから、適正化を図る必要があるとの御意見をいただいたところでございます。
 また、その提言の中では、適正化に当たっては施設の維持管理に係る経費を対象に算定を行うとともに、減免制度を政策的、特例的な措置であることを明確にするとともに、真にやむを得ないものに限定するとの適正化の方向性についても御意見をいただいたところでございます。
 市といたしましては、この提言を受け、副市長、教育長、企画部長、総務部長、施設所管の部長で構成する委員会と各課で構成する検討部会を設置し、1年間延べ12回の審議を重ね、受益者負担適正化に関する市の方針となります受益者負担適正化に関する指針を策定したところでございます。
 また、この指針の策定に当たりましては、パブリックコメントで市民の皆様の御意見をちょうだいし、その中では応分の使用料を払うべきである。あるいは減免規定はなくてもよいなどの声もちょうだいしているところでございます。
 次に、受益者負担に対する基本的な考え方についてでございますが、施設の維持管理費に対しまして、利用者負担が1割にも満たず、残りすべて市民の税金で賄っている状況から、施設を利用される方と利用されない方の負担の公平化を図る必要が生じており、公平性の観点から、まず受益者負担をとして、あわせて利用者や市民にわかりやすく説明できるよう、使用料の算定方法の明確化を図りますとともに、使用料の減額、減免規定の統一化を図るという観点を受益者負担の基本的な考え方に据えたものでございます。
 (中 略)
 以上で私の答弁とします。

◆15番(上田博之君) どうもありがとうございました。それでは、まず、受益者負担の考えをもとに市内の公共施設の利用料を値上げし、またこれまで無料で利用できていた団体からも基本的に利用料を徴収するという問題について再質問をさせていただきます。
 受益者負担の原則によって公平化を図るとしていますが、私はそもそもここの考え方がおかしいと思っています。この指針では、1つ1つの施設を全体から切り離し、その施設を利用した人は利益を得ている。他の人は利益を受けていない。だから、利益を受けた人にだけ税金を使うわけにはいかないから、施設を利用した人はお金を払うべきだという考え方です。これはとても了見の狭い考え方ではないでしょうか。
 私は皆様に考えていただきたいのです。施設を利用することだけで市民は特別な利益を得ているわけではありません。市民は生まれてから寿命を全うするまで、ありとあらゆる公的な支援、福祉を受けています。教育もそうです。そこにはだれでも利用できるという公共性があり、莫大な税金が使われています。それが自治体の使命なのですから、当たり前のことです。それなのに、施設の利用だけを他から切り離して、そこだけで税金の使い方を問題にするのはおかしなことではないでしょうか。
 例えば、これは非常に突飛なことに聞こえるかもしれませんが、受益者負担の原則で考えると、道路はどうなるのでしょうか。道路を毎日何度も何度も使う人もいれば、全く家から出ないで生活している人もいます。道路をほとんど使わない人から見れば、不公平だということになってしまいませんか。
 公的な役割のものに受益者負担で利用料を取るということは、こういう不自然なことになるわけです。ですから、私は、公的な役割のあるものに受益者負担の原則を当てはめることは、公的役割の放棄につながると考えています。市長はこのことをどう整理されているのでしょうか。市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。

◎企画部長(馬場勉君) それでは、受益者負担に関します内容でお答えをさせていただきたいと思います。
 今回、施設単位で使用料を取るというふうなことについては、本来すべての市民を行政が面倒を見るというふうな視点からどうなんだというふうなお話でございますが、市の考え方といたしましては地方自治法第225条では、公の施設の利用につきまして使用料を徴収できるということで定められているものでございます。
 また、逐条解説におきましても、使用料につきましては公の1つの使用に対しまして、反対給付として徴収をされるという性質を有するものというふうなことでございまして、施設に対して、そこを利用するという点では、排他的に占用利用しているというような受益の観点から使用料を徴収するというふうに、そうした考え方に立っているものでございます。
 そして、今お話の中でも、道路やほかのというふうなところにつきましてもお話しございましたが、この使用によって他の人が使用できないという事態が生じることになるわけでございまして、その間、電気料ですとか維持管理費ですとか、そうしたものがその施設を使用するというふうなことによって生じるわけでございますので、その使用料として負担を求める、求めさせていただくというふうなことでございます。このことにつきましては、地方自治法227条におきましても、地方公共団体の事務で特定のもののためにするものにつき、手数料を徴収することができるということと同様に、住民票などの手数料の負担を求める考え方は同じでございます。
 また、先ほど道路だの、公園だのというようなところの利用についてのお話もございましたけれども、フリーの通行利用につきましては、そういうインフラにつきましては当然無料になりますが、一方で施設と同様に、そこを占用するというふうになれば、そちらのほうにつきましては占用料を徴収するというふうなことが現実必要になるわけでございますので、考え方として私どものほうが受益者の指針、そうした制定をさせていただいた根底には、そういうふうな考え方がございますということでございます。以上でございます。

◆15番(上田博之君) 市側の考え方はわかりましたけれども、しかし、私はそれが本当ではなくて、受益者負担というものを本当に徹底していくのであれば、道路でも料金を取るということをやりたいのだけれども、しかし、それは取るのが非常に大変で、逆に人件費がかかってしまうというような問題もありますから、現実的に不可能だという中で、公民館などは簡単に取れるということが根本にあるのではないか